国立西洋美術館・世界遺産の理由
東京・上野の国立西洋美術館は2016年、「ル・コルビュジエの建築作品」の1作品として、世界遺産に登録されています。
1959年に竣工した建物は、東京国立博物館などクラシックな建物とは対照的な現代的な趣です。
ル・コルビュジエの建築作品は、7ヶ国・17作品で構成されています。フランス政府の呼びかけから、世界遺産への登録へ動いた経緯があります。
つまり、「ル・コルビュジェの建築作品」ということですから、日本だけでなく世界各国に存在する「国境を超えた世界遺産」なのです。
ル・コルビュジエとは
ル・コルビュジエは本名・シャルル=エドゥアール・ジャヌレ=グリというスイス生まれの建築家です(1887年生まれ、1965年没)。
帝国ホテルを設計したアメリカのフランク・ロイド・ライト、ヒューストン美術館やIBMオフィスビルを設計したドイツのミース・ファン・デル・ローエと並び、「近代建築の三大巨匠」に一人です。世界遺産の対象になったものは、日本の国立西洋美術館の他に、「ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸(フランス)」「ユニテ・ダビタシオン(マルセイユ,フランス)」「ラ・トゥーレットの修道院(フランス)」「サヴォア邸と庭師小屋(フランス)」「ペサックの集合住宅(フランス)」「カップ・マルタンの休暇小屋(フランス)」「ナンジェセール・エ・コリ通りのアパート(フランス)」「ロンシャン礼拝堂(フランス)」「サン・ディエの工場(フランス)」「フィルミニのレクリエーション・センター(フランス)」「レマン湖畔の小さな家(スイス)」「イムーブル・クラルテ(スイス)」「ヴァイセンホフ=ジードルングの住宅群(ドイツ)」「ギエット邸(ベルギー)」「クルチェット邸(アルゼンチン)」「チャンディガールのキャピトル・コンプレックス(インド)」になります。
国立西洋美術館の建物は、世界遺産しても興味深いものです。ピロティ、スロープ、自然光を生かした採光などに、ル・コルビュジェらしさがよく表れています。
国立西洋美術館の施設案内
国立西洋美術館 入館料
国立西洋美術館の入館料は、常設展で大人500円、大学生250円となっています。20名以上のグループには、団体料金で割引になります。企画展の場合は、その都度要確認です。
個人 | 団体(20名以上) | |
---|---|---|
一 般 | 500円 | 400円 |
大学生 | 250円 | 200円 |
国立西洋美術館は、高校生以下および65以上のシニアは、入館料が無料になるので、身分や年齢を確認できるものを携帯するのがおすすめです。大人でも、金・土の夜間開館時(17時以降)の常設展にかぎって、入館料が無料、つまりだれでも無料になります。
国立西洋美術館では、国立美術館キャンパスメンバーズの加盟校に在学する学生も、入館料が無料になります。学生は、自分の大学が加盟校か確認し、該当すれば学生証の提示でいつでも無料で入館できるのです。
国立西洋美術館 ホームページ
国立西洋美術館のホームページには、開館時間、アクセス方法など、来館者が最低限必要になるだろう情報にあふれています。「ご利用案内」も、ホームページからpdf版形式で、ダウンロードできます。
国立西洋美術館は行き慣れている人でも、臨時休館があったりするので、ホームページで確認するようにすると大安心です。行く前に見どころをチェックするなど、美術館をとことん楽しむための、お役立ちツールとしても活用できます。
国立西洋美術館は、収容している作品について、ホームページでも作品紹介をしています。最初に、見たい作品がある場所を押さえておけば、美術館めぐりに弾みがつくこと間違いありません。
国立西洋美術館 レストラン
国立西洋美術館は、館内レストラン「CAFEすいれん」も人気があります。オムライスやカニクリームコロッケなどの定番メニューに、コース料理、ワイン・ビール、ケーキセットも人気で、お洒落な大人のレストランの趣があります。
国立西洋美術館のレストラン「CAFEすいれん」は中庭に面していて、優雅に食事を楽しめます。ランチメニューは、すいれんランチ、ル・コルビュジェ・ランチプレートセットなどが人気です。
国立西洋美術館の「CAFEすいれん」は82席あり、観覧券なしで食事だけでもOKです。営業時間は通常、10時〜17:15(食事タイムは11時〜16:30)、金・土は10〜21時(食事タイムは11時〜20:10)で、時間延長期間中は10〜22時(食事タイムは11時〜21:10)となっています。
国立西洋美術館の常設展の作品
国立西洋美術館は、常設展からして一流どころの作品群がひしめいています。
松方コレクションを核として、収容されている作品数はじつに5500点。
1959年から一般公開されています。
松方コレクションとは?
株式会社川崎造船所(現川崎重工業株式会社)初代社長・松方幸次郎氏がヨーロッパ在住時から収集したコレクション。それで日本に美術館を作り、若い画家たちに本物の西洋美術を見てもらおうと蒐められましたが、世界恐慌による財政難で散失。戦後、フランス政府所有となっていた「松方コレクション」が日本へ寄贈返還され、それを保存・展示するためにセチルつされたのが国立西洋美術館です。
国立西洋美術館の常設展はおおむね、西洋中世末期〜20世紀の作品群からなっています。ロダンを中心とするフランス近代彫刻の数々も見どころで、本館・新館・前庭いっぱいに、西洋美術のあらましを、日本に居ながらなぞることができます。
国立西洋美術館の常設展は、『考える人』で有名なロダンの作品が多いイメージがありますが、絵画では印象派がとくに存在感があります。とくに、モネの『睡蓮』は超有名で、日本人のし好に沿った展示内容となっています。
国立西洋美術館のモネ
国立西洋美術館では、クロード・モネの絵画がとりわけ人気が高いようです。超有名な『睡蓮』はじめ、『並木道』や『セーヌ河の朝』などの作品を鑑賞するだけでも、足を運ぶ価値があります。
モネは風景画が多いようなイメージがありますが、国立西洋美術館は人物画も所蔵しています。『舟遊び』や『エプト河の釣人たち』など、市井の人物の描写にも、モネらしさを見て取ることができす。
ちなみに2016年9月、パリ・ルーブル美術館で、60年も行方がわからなくなっていた、松方コレクションの1つ、モネの『睡蓮-柳の反映』が発見され、大ニュースになったのです。国立西洋美術館で修復作業が進められ、2019年にルーブルで展示再開を目指しています。
国立西洋美術館へのアクセス
国立西洋美術館は、東京・上野公園の一角を占め、アクセスにはJR上野駅の公園口から、徒歩1分くらいの場所にあります。
国立西洋美術館は、地下鉄を経由してアクセスするルートもあります。東京メトロの銀座線・日比谷線の上野駅から、所要時間はそれぞれ徒歩8分ほどです。
国立西洋美術館は、駐車場をもっていないので、車で来館した場合、周辺の民間駐車場を利用することになります。ただ場所柄、駐車場が満車になることが多いので、空きを見つけるのが難しいケースは多々あります。美術館側でも、アクセスには公共交通機関のりようがおすすめとしています。
国立西洋美術館の混雑状況
国立西洋美術館の混雑状況は、素人でもある程度は予測可能です。
平日よりは土日祝、1日の中でも午前よりは午後が、混雑しやすい傾向があります。夏休みはもちろん、芸術の秋も、混雑に要注意です。
ただ、国立西洋美術館の混雑状況は、企画展で大人気作品にファンが殺到するなど、予測が難しい事態はあります。1974年のモナリザの場合、東京国立博物館で展示されたのですが、上野公園に長蛇の列ができたのは伝説となっています。
国立西洋美術館の混雑状況は、「あの展覧会混んでる?」など予測サイトを参照するのもおすすめです。ビッグデータなどを基に予測を立てるもので、たんなるカンよりは精度は上という評判です。
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