祇王寺の苔や落ち紅葉など見どころやアクセス

祇王寺の歴史

祇王寺の歴史は、平安末期の12世紀、平清盛の時代にさかのぼります。平清盛の寵愛を失った白拍子・祇王が出家し、京都・奥嵯峨のちに隠棲したという悲しい歴史が、お寺の成り立ちに深く関係しているのです。
祇王寺は『平家物語』にも記述があり、祇王本人、母の刀自、妹の妓女も隠棲した歴史を伝えています。境内には、平清盛の供養塔と、祇王をまつる塔が隣り合わせに立っていて、史跡となっています。

祇王寺
祇王寺

祇王寺は、荒廃・再建を繰り返しています。現在残っているのは、明治期に再建されたもので、創建当時から変わらぬたたずまいを伝えています。歴史に残る古刹ですが、現在は苔の名所としてのほうが有名かもしれません。



祇王寺の苔

祇王寺の苔
祇王寺の苔

京都奥嵯峨・祇王寺は、苔の名所として超有名です。境内いっぱいに緑のじゅうたんが広がったようで、苔マニアにはたまらない光景となっています。京都の観光スポットとしては、静かな風情があります。
祇王寺には、10種類を超える苔が生育しています。生育環境が良好であるためか、屋久島の原生林を思わせるボリューム感があります。それでいて全体的に落ち着いた色調なので、草庵を背景に、わび・さびの世界に浸れそうです。

祇王寺
祇王寺

祇王寺の苔は、新緑の季節がみずみずしさがマックスに達し、青モミジとのコラボが楽します。晩秋〜初冬は、紅葉とのハーモニーも見ごたえ十分で、苔庭に紅葉が散らばる光景は、つい絵筆をとりたくなるような美景です。



祇王寺の紅葉

京都は、紅葉が見事な寺社が多くあり、奥嵯峨エリアでは、祇王寺が一番人気の寺院です。苔の名所としても有名ですが、境内が深紅に染まる光景も絵になり、草庵の茅葺き屋根に降り積もる落ち葉も風情たっぷりです。

祇王寺の紅葉
祇王寺の紅葉

祇王寺の紅葉は例年、晩秋〜初冬に見頃を迎えます。奥嵯峨らしいしっとりとしたムードで、有名な観光スポットにしては落ち着いて秋の風情を鑑賞できます。
祇王寺は、散り紅葉も美しいお寺として評判です。緑の苔を背景に、深紅の落ち葉が一面に散らばった光景は、一生記憶に残るほどの感動体験となることでしょう。下ばかり見ていると見落としてしまいそうですが、茅葺きの屋根が落ち葉で真っ赤になった光景も一見の価値があります。

祇王寺の落ち紅葉
祇王寺の落ち紅葉

祇王寺の桜

京都奥嵯峨・祇王寺は、祇王寺妓女桜ゆかりのお寺でもあります。元は嵯峨の中院に自生してたのを移植したことに始まり、呼び名は『平家物語』に出てくる祇王の妹・妓女にちなんでいます。
祇王寺妓女桜はヤマザクラ系で、通常4月中旬に開花します。花は中輪八重で淡紅色、花びらは10〜15枚あります。花は、ほのかな芳香があるのが特徴的で、ソメイヨシノなどとの違いがハッキリ出ています。
境内には、樹齢150年と伝えられる祇王寺妓女桜があったのですが、現在は切り株があるだけです。現在、竹林庭園の一角に2代めが生育中です。まだ若木の段階ですが、成長して盛大に花を咲かせるようになれば、散った花びらと苔とのハーモニーが楽しめるでしょう。

祇王寺へのアクセス

祇王寺のアクセスに、路線バスは一般観光客にも便利な交通手段です。アクセスは、市バスならバス停「嵯峨釈迦堂前」から徒歩で約15分。京都バスを使うならバス停「鳥居本」から化野念仏寺の横を通って徒歩15分くらいです。
祇王寺のアクセスに電車を使う場合、トロッコ嵐山駅からは、途中で常寂光寺や二尊院を経由して、徒歩15分くらいかかります。嵐電・嵐山駅からは、寄り道せずまっすぐ歩いても30分くらいかかるでしょう。
祇王寺へ車でアクセスする人は、直営の無料駐車場が利用できます。ただ、駐車スペースが普通車で6台分と少なめです。しかも、お寺周辺は閑静な住宅地で、細い道が多いので、運転には少々注意が必要です。



祇王寺の駐車場

京都奥嵯峨・祇王寺は、ささやかながら直営の駐車場をもってます。駐車料金は無料で、普通車なら6台とめられます。ただ、苔や紅葉で大人気のお寺なので、苔が美しい新緑の時期、紅葉シーズンなど、時期によっては満車になりやすいのがデメリットです。
祇王寺の駐車場が満車であっても、周辺は閑静な住宅地で、狭い道が多いエリアなので、路駐は絶対にNGです。車を降りて少々歩くはめになったとしても、「タイムズ嵯峨二尊院」など、周辺の駐車場をみつけて利用するのが身のためです。
また、清涼寺の駐車場にとめるのも有力な選択肢です。祇王寺までは1kmほどの近場なので、裏技あるいは満車のときの保険として認識している人は多いようです。

祇王寺の御朱印

祇王寺は、苔や紅葉の鑑賞に打ってつけのお寺ですが、御朱印を授与してもらって形に残すもの一興です。料金は300円で相場並み、受け付けは拝観受付で、拝観時間は通常09〜17時ですが、受付時間は16:30で終了となるので要注意です。
祇王寺では通常、大日如来の御朱印を授与していますが、すべて書置きのようです。さらに、春夏秋冬と四季折々の限定バージョンのラインナップもありますが、こちらも書置きとなっています。
祇王寺では、オリジナルの御朱印帳も販売しています。表紙には『平家物語』にちなんで、竹や白拍子があしらわれています。販売価格は1800円と少々値が張りますが、デザイン的にも好評でそれなりに人気があるようです。

祇王寺のランチ

祇王寺の周辺エリアで、ランチとくれば「泉仙 嵯峨野店」は超定番の食事処として人気があります。泉仙は1871年創業の老舗料理店で、看板メニューの精進料理のほか、京料理や点心などのメニューも好評で、ランチにも打ってつけです。
祇王寺の周辺では、「湯どうふ松本」でのランチも、参拝客の立ち寄り先として人気です。「手打ちうどん さが美」はお寺からは少々離れた場所にありますが、京都バスのバス停「大覚寺道」すぐの場所にあり、やはり観光客向けの食事処です。
祇王寺の近所では、「平野屋」という老舗茶店があります。ランチには少々役不足かもしれませんが、団子に黒砂糖・きな粉をまぶした「志んこ」が人気メニューとして有名です。