原爆ドームの歴史や世界遺産登録への経緯と資料館の料金・営業時間・アクセスについて

原爆ドームの歴史

原爆ドームの歴史は、1915年に広島県物産陳列館として建てられたことに始まります。
チェコの建築家ヤン・レツルが設計したドーム付きの洋館は、1933年に広島県産業陳列館と改められ、運命の日を迎えたのです。
1945年8月6日、産業奨励館はほぼ真上から熱線・爆風を受けたため、ドームの鉄骨が完全に近い形で残ったのは、歴史の奇跡といえます。
戦後は原爆ドームとして国内外で有名になり、1966年に永久保存が決議され国内外から募金が集められた歴史があります。
原爆ドームは1994年から世界遺産への登録の機運が盛り上がり、世界165万人の署名を集め、国会へ提出されたのです。そして1996年、世界遺産へ登録の歴史的快挙に結実したのです。



原爆ドームはなぜ世界遺産に?

原爆ドームが世界遺産に認定されたのは、1996年12月のことです。
すでに世界的に知られた「遺産」でしたが、登録に先立ち国内外から165万人以上の署名を集めるなど、その道程は地道な努力のたまものでした。
広島の原爆ドームは、核兵器がもたらす悲劇を如実に物語る建造物としての「生き」証人です。
世界史の中でも稀有な存在と意義、それが、世界遺産に登録されたのは当然のようにみえます。
登録に際し、核兵器による被害のすさまじさ、平和を訴えるシンボルの2点が、評価ポイントとなりました。
原爆ドームは、正確に言えば「負の遺産」であり、そういった遺産は世界でもごく少数しかありません。
また、近くには、同じく世界遺産の宮島・厳島神社があり、クルーズ船で約45分で行き来できるほど隣接しているのも珍しいことでしょう。

原爆ドームへのアクセス

原爆ドームの最寄り駅は、広島電鉄「原爆ドーム前」電停で、電停から徒歩1分くらいで着きます。JR広島駅からアクセスするには、広島駅電停から2号線・6号線の、広電宮島行き・江波行きに乗車し、約16分でアクセスできます。
原爆ドームへ車でアクセスしようとする際、注意点は直営の駐車場がないことです。周辺の広島市営駐車場などにとめ、遠い場所にある場合は路面電車に乗り換えるという、パーク&ライド方式になります。
ちなみに、原爆ドームは宮島から「世界遺産航路」でアクセスするルートもあり、水の都・広島を肌で楽しむことができ、観光客に好評です。所要時間は片道45分ほどのクルーズで、近くの元安桟橋に乗り場があります。



原爆ドーム近隣の駐車場

原爆ドームには、一般車がとめられる専用の駐車場はありません。
車でアクセスしたとしても直接乗り入れはできず、近隣の有料駐車場に車をとめてから、路面電車などに乗り換えて現場まで移動することになります。
原爆ドームの周辺では、広島市内の各地にある広島市駐車場が重宝します。駐車料金は30分につき150〜180円程度に収まっていて、有名な観光地エリアとしてはリーズナブルな料金体系かもしれません。
原爆ドームへのアクセスに便利な広島市駐車場は、都合25ヶ所にあります。基町や大手町第1は、平和公園に近く比較的便利な場所にありますが、少し離れた場所にあっても、パーク&ライド方式よろしく、路面電車やバスに乗り換えて簡単にアクセスできます。

原爆ドームを臨む資料館

広島平和記念資料館は、元安川をはさんで原爆ドームの反対側、平和公園内にあります。
▼平和記念公園▼

資料館の建物は、本館・東館に分かれ、何度かのリニューアルを経て今日にいたっています。▼平和記念資料館▼

資料館・本館は、被爆の実相を展示しています。原爆ドーム、証言ビデオ、被爆者の遺品など、どれも広島でしか見物できません。2019年にはリニューアル完了予定で、閉館中はホームページでバーチャル見学ができます。
資料館・東館は、広島の歩み・核兵器の危険性を展示するエリアです。かつての産業奨励館が原爆ドームとなるまでと、戦後の平和の歩みを学習できます。リニューアル後、原爆投下の瞬間をCGで再現したコーナーができ、だれもが衝撃を受けると話題になりました。

▲「広島平和記念資料館」原爆投下CG映像▲



原爆ドームや広島平和記念資料館の「営業時間」

原爆ドームの閲覧可能時間や営業時間って決まっているの? という声を耳にすることがありますが、元安川の川べりにある原爆遺構で、営業時間が定められているわけではありません。昼でも夜でも、柵の外から見学可能で、夜でもライトアップされた姿を見るために、訪れる人は少なくありません。

原爆ドームを訪れたら、広島平和記念資料館も必ず訪れることでしょう。こちらの資料館の営業時間は、季節に関係なく午前8時30分はじまりです。3〜7月は18時まで、8月は19時までで、毎年8月5・6日は特別に20時までとなります。
資料館の営業時間は、9〜11月は08:30〜18時まで、12〜2月は08:30〜17時までで、12月30日と31日は休館日となります。
原爆ドームはいつでも見学できますが、資料館のほうは閉館30分前から入館できなくなるので、資料館のほうに合わせてスケジュールを組むのがおすすめです。
また、平和記念公園には、世界平和への願いが込められた記念碑、慰霊碑が数多く存在しており、原爆ドームも含め、ちょっとゆっくりと散策するコースも人気です。

原爆ドームや広島平和記念資料館の料金

原爆ドームは現在、鉄柵に囲まれていて、見物客は外から眺める格好になります。料金は無料で、いつでも自由に見学することができます。
原爆ドームの料金が無料ですが、広島平和記念資料館のほうは所定の観覧料がかかります。大人(大学生以上)200円、高校生100円、中学生以下は無料となっています。ただし、料金は大人は30名以上で20%オフになり、土日祝は高校生は無料になります。65歳以上は、年齢がわかるものがあれば100円で入館できます。
ちなみに、平和学習の見地から、資料館は学校単位での見学の場合、生徒・引率者は料金無料になります。広島を訪れたなら、原爆ドームと資料館は絶対に訪れる場所であり、修学旅行生に配慮された格好です。

原爆ドームを英語で呼ぶと?

広島の原爆ドームは、英語に訳すと「The A-bomb Dome」、世界にただ一つしかないので「the」がつきます。また、原爆を普通にローマ字読みした「genbaku dome」でも通じることもあるようです。
海外でも大変に関心の高い原爆遺構であり、インターネットで英語で検索すると、本当にぼう大な数がヒットします。
原爆ドームつながりで、英語が関係しているところでは、パンフレットやガイドブックなどがあり、海外からの観光客が熱心に見入る姿はよく見かけます。
▼広島平和記念館3階の英語によるレポート動画▼

オバマ前大統領が、当時現職のアメリカ大統領として初めて訪広したのは象徴的です。
広島では、平和公園を中心に「ヒロシマピースボランティア」が活動し、英語対応のメンバーもいます。核兵器の悲惨さについて、一人でも多く真の姿を伝えることができれば望外の喜びでしょう。